マンション売却で使える税制優遇まとめ|住み替え特例・居住用3,000万円控除・譲渡損失特例を解説【2026年版】
マンションを売却すると、 売れた金額そのものだけでなく、 「税金がどれくらいかかるのか」 も非常に気になるポイントです。
とくに、 自宅として住んでいたマンションを売る場合は、 一般の不動産売却とは違い、 いくつかの税制優遇が用意されています。
代表的なのが、 居住用財産の3,000万円特別控除、 10年超所有の軽減税率の特例、 そしてよく「住み替え控除」と呼ばれる 買換え特例です。 さらに、 売却で損失が出た場合に使える 譲渡損失の損益通算・繰越控除 もあります。
この記事では、 マンション売却で使える主な税制優遇を整理しながら、 それぞれの概要、 注意点、 併用しやすいもの・しにくいものまで、 わかりやすくまとめます。
クラベストの結論:まず確認したい税制優遇の全体像
- 自宅マンションの売却では、まず3,000万円特別控除の対象かを確認したい
- 所有期間が10年超なら、軽減税率の特例も検討しやすい
- 買換え特例は「課税を先送りする制度」で、恒久的に税金がなくなる制度ではない
- 売却損が出た場合は、損益通算や繰越控除が使えるケースもある
- 税制ごとに併用不可の組み合わせがあるため、売却前に整理することが大切
マンション売却の税制優遇は、 「利益が出た場合に税金を減らす特例」 と 「損失が出た場合に他の所得と相殺しやすくする特例」 の2つに大きく分かれます。 どれを使うべきかは、 売却益なのか売却損なのか、 住み替えをするのか、 所有期間がどれくらいかによって変わります。
マンション売却で税金がかかる仕組み
まず前提として、 マンション売却で税金がかかるのは、 売れた金額そのものではなく、 譲渡所得 が出たときです。
譲渡所得は、 おおまかにいえば 「売却価格 - 取得費 - 譲渡費用」 で計算されます。 この譲渡所得に対して、 所有期間に応じた税率がかかり、 特例が使える場合はそこから税負担が調整されます。
- 売却益が出るか、売却損が出るか
- そのマンションが「居住用財産」かどうか
- 所有期間が10年超かどうか
- 住み替えを伴うかどうか
- 住宅ローンが残っているかどうか
この整理をしたうえで、 どの税制優遇が使えるかを確認していく流れになります。
居住用財産の3,000万円特別控除
もっとも有名で、 まず確認したいのが 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除 です。
これは、 自分が住んでいたマンションを売ったとき、 一定の要件を満たせば 譲渡所得から最高3,000万円まで差し引ける という特例です。
3,000万円特別控除
売却益が3,000万円以下なら、譲渡所得がゼロになるケースもある
たとえば、 売却益が2,500万円なら、 この特例でその全額を吸収できる可能性があります。 自宅売却の税負担を考えるうえで、 非常にインパクトの大きい制度です。
使いやすいケース
- 現在住んでいる自宅マンションを売る
- 住まなくなってから一定期間内に売る
- 別荘や投資用ではなく、生活の本拠だった
注意点
- 特例目的の仮住まいには使えない
- 別荘などには使えない
- 親子や夫婦など特別関係者への売却は対象外になりやすい
まずはこの3,000万円特別控除の対象かどうかが、 マンション売却の税金を考える最初の分かれ道になります。
10年超所有の軽減税率の特例
自宅マンションを長く持っていた場合に注目したいのが、 10年超所有の軽減税率の特例 です。
国税庁の案内では、 マイホームを売って一定の要件を満たすとき、 長期譲渡所得に対して通常より低い税率で計算でき、 しかも 3,000万円特別控除と重ねて使える とされています。
軽減税率
所有期間10年超なら、3,000万円控除の後の残りに軽い税率を使える可能性がある
この特例は、 自宅売却で利益が大きく出るケースほど効果を感じやすい制度です。 3,000万円控除だけで利益が消えない場合に、特に検討価値があります。
- 3,000万円特別控除の後の課税長期譲渡所得に適用を考える
- 所有期間10年超かどうかが大きな条件
- 自宅マンションかどうかが前提になる
- 買換え特例など他の特例とは併用できないものがある
利益が大きく出る見込みのマンション売却では、 3,000万円控除と軽減税率をセットで確認するのが基本です。
住み替え時の買換え特例(いわゆる住替え控除)
よく 「住替え控除」 と呼ばれるものの中心が、 特定のマイホームを買い換えたときの特例 です。
これは、 一定の要件のもとで、 売却益に対する課税を その場で確定させず、将来へ繰り延べる 性格の制度です。 そのため、 税金が完全になくなる制度というより、 課税のタイミングを後ろに送る制度として理解した方が実務に近いです。
住み替え特例の注意
2026年の売却では、まず適用期限の確認が必要
国税庁の現行案内では、 この買換え特例は 令和7年12月31日までにマイホームを売ること が要件になっています。 そのため、 2026年の売却で使えるかどうかは、 法改正や個別状況を含めて事前確認が必要です。
イメージしやすい人
- 自宅マンションを売って別の自宅へ住み替える
- 長く住んでいて譲渡益が大きい
- 売却時点の税負担を一旦抑えたい
理解しておきたい点
- 税金が恒久的になくなる制度ではない
- 3,000万円控除や軽減税率とは選択関係になることがある
- 新居取得の条件や時期も確認が必要
住み替えで損失が出たときの損益通算・繰越控除
マンション売却では、 利益ではなく 損失 が出ることもあります。 そのとき、 住み替えを伴うなら マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 が検討対象になります。
国税庁の案内では、 一定要件のもとで、 その譲渡損失を給与所得や事業所得など他の所得から差し引け、 さらに控除しきれない分は 翌年以後3年内に繰り越して控除できるとされています。
譲渡損失の特例
利益が出ない売却でも、税制上のメリットがある場合がある
価格が下がったタイミングでの住み替えでは、 「売却損だから何もできない」 と思われがちですが、 この特例で家計全体の税負担を和らげられる可能性があります。
ただし、 この特例も国税庁の現行案内では 令和7年12月31日までの譲渡 が要件のひとつとして示されています。 2026年の売却では、 最新の取扱い確認が必要です。
買換えなしでも使える譲渡損失の特例
新しい家を買わない場合でも、 一定条件を満たせば 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除 が検討できます。
これは、 住宅ローンが残っているマイホームを、 残高を下回る価額で売って損失が出たときに、 一定の限度内で他の所得と相殺し、 さらに翌年以後3年間の繰越控除も可能になる制度です。
買換えなしの損失特例
ローン残債割れの売却で使える可能性がある
住み替えをしなくても検討余地があるのが特徴です。 ただし、 ローン残高や売買契約日の前日時点の状況など、 細かい要件確認が必要です。
- 住宅ローンが残っているか
- 売却価格がローン残高を下回っているか
- 譲渡損失の限度額がどう計算されるか
- 買換えを伴わない売却でも要件に合うか
こちらも、 国税庁の現行案内では 令和7年12月31日までの譲渡 が前提とされているため、 2026年売却では特に事前確認が大切です。
ほかに知っておきたい税制優遇
マンション売却でよく話題になるのは 3,000万円控除や住み替え特例ですが、 状況によっては ほかの制度も関係してきます。
相続した空き家の3,000万円特別控除
被相続人の居住用財産を相続し、 一定要件を満たして売る場合に使える特例です。 国税庁の案内では、 平成28年4月1日から令和9年12月31日までの譲渡が対象とされ、 一定の場合は控除額が2,000万円になるケースもあります。
相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例
相続税が課税された財産を一定期間内に売却したとき、 支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度です。 相続マンションの売却では、 手残りに影響することがあります。
自宅マンションの通常売却とは少し場面が違いますが、 相続が絡む売却では非常に重要になるため、 該当しそうな方はあわせて確認しておきたいところです。
どの特例が併用しやすい?しにくい?
税制優遇はたくさんありますが、 何でも自由に重ねて使えるわけではありません。
併用関係
3,000万円控除と軽減税率は併用しやすいが、買換え特例とは選択関係になりやすい
自宅売却で利益が出る場合は、 まず3,000万円控除、 次に10年超なら軽減税率という流れで検討しやすい一方、 買換え特例は別の考え方の制度なので、 どれが有利かを比較する必要があります。
比較の軸
- 利益が出るか、損失が出るか
- 所有期間が10年超か
- 住み替えをするか
- 住宅ローン控除との関係
注意したいこと
- 住宅ローン控除等と重複できない扱いがある
- 前年・前々年の適用状況も見られることがある
- 同じ売却でも「利益用の特例」と「損失用の特例」は別整理が必要
税制優遇でよくある注意点
税制優遇は非常に強い制度ですが、 使えると思っていたのに使えない、 あるいは思っていた特例と別物だった、 ということも少なくありません。
- 「住み替え控除」は税金がゼロになる制度ではなく、課税繰延べ型のことが多い
- 3,000万円控除が使えるのは基本的に居住用財産
- 特例ごとに売却期限や所有期間要件がある
- 住宅ローン控除との関係を見落としやすい
- 確定申告と必要書類の提出が前提になる
とくに2026年時点では、 買換え特例や譲渡損失特例の一部について、 国税庁の現行案内に記載された適用期限との関係を 事前に確認しておくことが重要です。
マンション売却の税制優遇一覧
| 制度名 | 主な場面 | ざっくりした効果 | 見ておきたい注意点 |
|---|---|---|---|
| 居住用財産の3,000万円特別控除 | 自宅マンションの売却益が出るとき | 譲渡所得から最高3,000万円控除 | 居住用か、特別関係者売買でないかなど要件確認が必要 |
| 10年超所有の軽減税率 | 長く住んだ自宅マンションの売却益が出るとき | 通常より低い税率で計算しやすい | 3,000万円控除後の残りに効くことが多い |
| 買換え特例(住み替え特例) | 自宅を売って新居へ住み替えるとき | 売却益への課税を将来へ繰り延べる | 2026年売却では適用期限の確認が特に重要 |
| 買換え時の譲渡損失の損益通算・繰越控除 | 住み替えで売却損が出たとき | 他の所得と相殺、翌年以後3年繰越の可能性 | 新居取得条件や期限の確認が必要 |
| 特定のマイホームの譲渡損失特例 | ローン残債割れで売却損が出たとき | 一定限度で損益通算・繰越控除 | 住宅ローン残高と売却価額の関係が重要 |
| 被相続人居住用家屋の特例 | 相続した空き家・相続物件を売るとき | 譲渡所得から特別控除 | 自宅売却とは別の要件で整理が必要 |
| 取得費加算の特例 | 相続税がかかった相続物件を売るとき | 取得費を増やし譲渡所得を圧縮しやすい | 相続開始からの期限管理が重要 |
マンション売却と税金を相談する(クラベスト)
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※本記事は、2026年時点で公表されている一般的な税制の考え方を整理した内容です。実際の適用可否は、居住状況、所有期間、住み替え時期、住宅ローンの有無、前年・前々年の特例適用状況、相続の有無などによって異なります。最終的な適用判断は、税理士・税務署等への確認を前提にご検討ください。