建築費高騰で中古住宅の価値は上がる?|2026年最新動向から京都の売却・購入を考える
新築の家を建てようとすると、数年前と比べて見積もりが数百万円高くなっていた——そんな声をよく聞きます。建築費の高騰は2026年現在も続いており、新築住宅の価格は高止まりしています。
この状況は、中古住宅の市場にも影響を与えています。「新築が高すぎて手が届かないなら、中古を検討しよう」という動きが広がりつつあり、結果として中古住宅の価値・需要に変化が生まれています。
この記事では、建築費高騰の現状を整理した上で、それが中古住宅の価値にどう影響するのか、京都市内で売却・購入を考える方にとって何を意味するのかを解説します。
1、2026年の建築費高騰の現状
建設物価調査会が公表している建築費指数(2015年平均=100)は、集合住宅で約140ポイント、木造住宅で約144ポイントに達しています。つまり2015年と比べて建築費が4割以上上昇している状態です。
2026年の建築費の現状(まとめ)
- 建築費指数は集合住宅約140・木造約144で、2025年後半はほぼ横ばいに
- これまでの急激な上昇には「天井」が見え始めているとの指摘もある
- 一方で、高い水準のまま下がる兆しは見られない
- 2025年4月から新築住宅の省エネ基準適合が義務化され、新たなコスト要因になっている
つまり、「建築費が今後も上がり続ける」という状況から、「高い水準で落ち着きつつある」という局面に変わってきていますが、新築の建築費が大きく下がる見通しは立っていません。これが新築住宅価格の高止まりにつながっています。
2、なぜ建築費が高騰しているのか
建築費高騰の背景には、複数の構造的な要因が重なっています。
建築費高騰の主な要因
- 円安による輸入建材の価格上昇:2010年は1ドル=90円前後でしたが、2026年は160円前後まで円安が進んでいます。木材・住宅設備など輸入に依存する資材の価格を大きく押し上げています。
- 建設業の人手不足・高齢化:大工・職人の高齢化と若手不足により、施工単価の上昇が続いています。工期の調整がしにくくなることもコスト増の要因です。
- ウッドショックの影響の長期化:コロナ禍以降の世界的な木材需給の混乱が、木材価格の高止まりにつながっています。
- 省エネ基準適合の義務化:2025年4月から新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられ、断熱・設備に関するコストが上乗せされています。
これらの要因は一時的なものではなく構造的であるため、短期間で建築費が大幅に下がる可能性は低いと見られています。
3、建築費高騰が中古住宅に与える3つの影響
新築の建築費が高止まりすることは、中古住宅市場にどのような影響を与えるのでしょうか。
影響①:新築から中古へのシフト(予算オーバーの受け皿)
新築の建築費が高くなると、「新築は予算オーバーだから中古にしよう」という購入者が増えます。過去のウッドショックの際も、新築住宅の建築工事費が高くなったことで、予算オーバーの層が中古戸建住宅に流れ、中古の需要・価格が上昇するという現象が見られました。2026年も同様の動きが続く可能性があります。
影響②:中古住宅は「資材高騰の影響を受けにくい」割安感
中古住宅は、リフォーム済み・購入後にリフォームするケースがあっても、新築ほど多くの建材・設備を必要としません。そのため資材高騰の影響を受けにくく、新築との価格差(割安感)が拡大している状態です。同じ予算で「新築の狭い家」か「中古の広い家+リフォーム」かを選ぶ購入者が増えると、中古の需要が底上げされます。
影響③:「築年数が浅い中古」の相対的な価値が上がる
新築価格が上がることで、新築に近い品質を持つ築浅の中古住宅の相対的な価値が上がりやすくなります。「新築を建てるより、築5〜10年の中古を購入してリフォームする方が総額で安い」という選択が現実的になり、築浅物件への需要が強まる傾向があります。
ただし「すべての中古住宅」が上がるわけではない
建築費高騰の影響を受けやすいのは、立地が良く・構造的に問題が少なく・リフォームで活かせる中古住宅です。旧耐震基準で大規模な耐震補強が必要な物件、再建築不可物件、極端に老朽化が進んだ物件などは、建築費高騰の恩恵をそのまま受けるわけではありません。「中古なら何でも上がる」という単純な話ではない点に注意してください。
4、税制改正で中古住宅の優位性が高まっている
建築費の動向だけでなく、税制面でも中古住宅の優位性が高まっていることは見逃せないポイントです。
2026年の税制改正のポイント
- 住宅ローン控除の期間延長:省エネ基準を満たす中古住宅であれば、住宅ローン控除の期間が従来の10年から13年へ延長されました。これにより、新築との減税額の差が縮小しています。
- 子育て・若年夫婦世帯への借入限度額の上乗せ:これらの世帯向けの優遇措置が継続されており、リフォーム費用を含めたローン活用が現実的な選択肢になっています。
- 結果として「物件価格の安さ+減税額の同等化」により、中古住宅を選ぶことで総支払額を大幅に抑えられる状況が生まれています。
つまり、「建築費高騰による新築の割高感」と「税制改正による中古住宅の減税メリット拡大」が同時に進んでいるのが2026年の特徴です。この2つが重なることで、中古住宅、特に省エネ性能を備えた中古住宅への需要が高まりやすい環境になっています。
5、京都市内の中古住宅市場への影響
京都市内は、もともと土地供給が限られ、新築物件の価格が高い傾向にあるエリアです。建築費高騰によって新築の価格がさらに上がることは、京都の中古住宅市場に特有の影響を与えます。
① 新築マンション価格が高すぎて中古に流れる動き
京都市内の新築マンションは、建築費高騰の影響もあり高額化が進んでいます。「新築の価格に手が届かない」という層が中古マンション市場に流れることで、中古マンションの価格を押し上げる要因になっています。
② 中古戸建て・町家の「リフォーム前提」需要
京都市内には、リフォーム・リノベーションを前提に中古の戸建て・町家を購入する層が一定数存在します。新築の建築費が高い分、「中古を買ってリフォームする」方が総額で抑えられるケースが増えており、こうした需要の中心市街地への流入が続いています。
③ 旧耐震基準の物件は「リフォーム+耐震補強」のコストに注意
京都市内に多い旧耐震基準(1981年5月31日以前)の中古住宅は、リフォームに加えて耐震補強が必要になる場合があります。建築費高騰下では耐震補強のコストも上昇しているため、購入者がそのコストを織り込んだ価格交渉をしてくる可能性があります。売却する場合は、耐震診断の有無・補強の必要性を事前に把握しておくことが有利になります。
④ 省エネ性能のある中古は評価されやすくなる
住宅ローン控除の延長対象が「省エネ基準を満たす中古住宅」であることから、断熱改修・省エネ設備(高効率給湯器・複層ガラスなど)が導入されている中古住宅は、今後より評価されやすくなる可能性があります。リフォーム歴がある場合は、その内容を売却時にしっかり伝えることが重要です。
建築費高騰下での売却・購入についてご相談ください
「今の市況で売るとどう評価されるか知りたい」「中古を買ってリフォームすべきか迷っている」
まずはクラベストにご相談ください。
6、売却を考えている方への視点
建築費高騰・中古住宅需要の高まりは、売却を考えている方にとって追い風になり得ます。ただし、活かすためには売り方に工夫が必要です。
売却で意識したいポイント
- 「リフォーム前提の買い手」に向けた情報発信を意識する:間取り変更の自由度・構造の状態・リフォーム履歴などを丁寧に伝えることで、リフォーム目的の買い手に魅力を感じてもらいやすくなります。
- 省エネ改修歴があれば積極的に開示する:断熱改修・給湯設備の更新などがある場合、税制優遇の対象になる可能性があるため、買い手にとって大きなプラス要素になります。
- 「新築との価格差」を意識した価格設定:新築価格が上がっている今、「新築よりいくら安いか」という相対的な訴求が効果的な場合があります。周辺の新築価格動向も把握しておくと交渉材料になります。
- 旧耐震の物件は耐震診断を事前に行うと有利:耐震診断・耐震基準適合証明書の取得は、買い手の不安を減らし、税制優遇(住宅ローン控除など)の適用にもつながる場合があります。
7、購入を考えている方への視点
「新築は高いから中古にしよう」と考える際、押さえておきたいポイントがあります。
購入で意識したいポイント
- 「中古+リフォーム」の総額を新築と比較する:中古の購入価格にリフォーム費用を加えた総額が、新築の価格とどう比較になるかを必ず確認してください。リフォーム費用自体も建築費高騰の影響を受けているため、想定より高くなる場合があります。
- 省エネ基準を満たすかどうかで住宅ローン控除が変わる:省エネ基準を満たす中古住宅は住宅ローン控除が13年になります。築年数だけでなく省エネ性能も確認材料にしてください。
- 旧耐震基準の物件は耐震性の確認を優先する:1981年5月31日以前の建物は耐震診断の有無を確認し、必要であれば耐震補強費用も予算に含めて検討してください。
- 「築浅の中古」は競争が激しくなる可能性がある:新築価格が上がるほど、築浅の中古住宅への需要が集中しやすくなります。良い物件は早期に決まる可能性があるため、判断を先延ばしにしすぎないことも重要です。
まとめ
建築費高騰と中古住宅の価値について押さえておくべきポイント
- 建築費の上昇ペースは落ち着きつつあるが、高水準は続く:建築費指数は横ばいに近づいていますが、新築価格が大きく下がる見通しはありません。
- 中古住宅、特に築浅・リフォーム向き物件の需要が高まりやすい:新築の割高感から中古へのシフトが進み、「中古+リフォーム」が現実的な選択肢として定着しつつあります。
- 税制改正により中古の優位性がさらに拡大:省エネ基準を満たす中古住宅の住宅ローン控除が13年に延長され、新築との差が縮まっています。
- 「中古なら何でも上がる」わけではない:立地・構造・耐震性・省エネ性能によって評価は分かれます。所有物件・購入予定物件がどう評価されるかを実際に確認することが重要です。
「今の建築費・市況を踏まえて、どう判断すればいいか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。
8、まずはご相談ください
「中古住宅を売却したいが今の市況での評価額を知りたい」「中古を買ってリフォームすべきか新築にすべきか迷っている」「省エネ改修歴があるが価値に反映されるか知りたい」「旧耐震の物件の耐震診断について相談したい」
まずは現状をお聞かせください。市況を踏まえた具体的なご提案をいたします。
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに、一般的な不動産市況・税制の考え方を解説するものです。建築費・税制は今後変更される可能性があり、将来の市況を保証するものではありません。個別の売却・購入・税制適用にあたっては、最新の情報を踏まえて不動産会社・税理士にご相談ください。