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2026年07月02日

京都市で相続した空き家を放置するとどうなる?固定資産税・管理責任・空き家税

京都市で相続した空き家を放置するとどうなる?固定資産税・管理責任・空き家税

「相続したけれど、すぐには動けない」「遠方に住んでいるので管理が難しい」——そのまま空き家にしておくことを選んだとき、何が起きるのかを正確に把握している方は多くありません。

空き家の放置は「何もしない」ではありません。放置するほど、コストとリスクが積み上がっていく能動的な選択です。固定資産税の増加、建物の劣化、行政指導、近隣トラブル——そして2026年現在、京都市では全国に先駆けて導入された「空き家税(非居住住宅利活用促進税)」という新たな負担も加わっています。

この記事では、京都市で相続した空き家を放置した場合に何が起きるかを、税金・管理責任・法的リスクの3つの軸で整理します。

この記事でわかること:空き家放置で固定資産税が増える仕組み、京都市独自の空き家税の概要、建物劣化・管理責任のリスク、空き家対策特別措置法の指定制度、空き家特例(3000万円控除)の期限、放置を避けるための選択肢。
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1、固定資産税が最大6倍になる仕組み

「空き家にしても固定資産税は変わらないだろう」と思っている方が多いですが、これは大きな誤解です。空き家の状態によっては、固定資産税が現在の最大6倍に増加するリスクがあります。

住宅用地特例とは

現在、住宅が建っている土地には「住宅用地特例」が適用されており、固定資産税が大幅に軽減されています。

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税評価額を6分の1に軽減
  • 一般住宅用地(200㎡超の部分):固定資産税評価額を3分の1に軽減

この特例は「住宅が建っている土地」に適用されるものです。建物が「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、特例の適用が外れ、本来の評価額に対して税金が課されます。小規模住宅用地であれば、最大で現在の6倍の固定資産税になる計算です。

固定資産税が増える流れ

状態住宅用地特例税額の目安
通常の住宅(居住中) 適用あり(6分の1) 現在の税額
空き家(管理されている) 原則として適用あり 現在と同程度
管理不全空き家に指定 適用外(勧告後) 最大2倍程度
特定空き家に指定 適用外(勧告後) 最大6倍

建物を解体して更地にした場合も同様に住宅用地特例が外れ、固定資産税が大幅に増加します。「解体すれば管理が楽になる」と考える方も多いですが、更地にすることで固定資産税が増え、かつ再建築不可物件では建替えもできないという状況になるケースもあります。解体の判断は慎重に行ってください。

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2、京都市独自の「空き家税」とは

京都市は2026年より、全国に先駆けて「非居住住宅利活用促進税」(通称:空き家税)を導入しています。相続した空き家を保有し続ける場合、固定資産税に加えてこの税が新たにかかる可能性があります。

空き家税(非居住住宅利活用促進税)の概要

  • 課税対象:京都市内にある非居住住宅(誰も居住していない住宅)およびその敷地
  • 課税の目的:空き家・非居住住宅の利活用を促し、住宅不足の解消を図ること
  • 税率:課税標準額(固定資産税評価額に一定率をかけた額)に対して0.7%(土地)、家屋は評価額に応じた税率
  • 非課税・減額の対象:相続から一定期間内の空き家、賃貸・売却活動中の住宅、解体工事着手済みの建物など、一定の条件を満たす場合は課税が猶予・減額される

相続した空き家は「何もしないと課税対象になる」

相続後に空き家のまま何も手を打たなければ、固定資産税に加えて空き家税が課税される可能性があります。一方、売却活動中・賃貸募集中・解体着手済みなど、活用に向けた動きをしている場合は課税猶予や減額の対象になるケースがあります。「放置するより動いた方が税負担が軽くなる」という構造です。詳細な適用条件は京都市の公式情報または専門家にご確認ください。


3、建物劣化と管理責任のリスク

税金の問題だけでなく、空き家を放置することで建物そのものが急速に傷み、近隣や第三者に対する損害賠償責任を負うリスクも生じます。

空き家が急速に傷む理由

  • 換気・採光がなくなる:湿気が溜まりカビ・腐食が進行します。木造の町家は特にこの影響を受けやすい構造です
  • 雨漏りの放置:定期的に点検する人がいないため、屋根・外壁の軽微な損傷が重大な雨漏りに発展します
  • シロアリ・害虫の発生:人の気配がなく、湿気が高い空き家はシロアリの被害を受けやすくなります。構造材が食害されると修繕費が大幅に膨らみます
  • 植木・雑草の繁茂:管理されない庭木や雑草は隣地に越境し、近隣との摩擦を生みます

管理責任と損害賠償リスク

老朽化した空き家から外壁・屋根材・ブロック塀が崩落し、通行人や隣地に損害を与えた場合、所有者は工作物責任(民法717条)に基づく損害賠償を求められる可能性があります。「住んでいないから関係ない」では済まされません。「そのうち直そう」と思っているうちに台風・大雪などで崩壊し、賠償問題に発展したケースは少なくありません。

不法投棄・犯罪利用のリスク

管理されていない空き家はゴミの不法投棄・不法侵入・放火のターゲットになりやすいとされています。近隣から苦情が行政に寄せられると所有者に管理改善を求める指導が入ります。京都市では空き家の通報・相談窓口が整備されており、近隣から通報されるケースが増えています。

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空き家の活用・売却についてご相談ください

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4、空き家対策特別措置法による指定制度

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」は、2023年に改正され、行政の権限が大幅に強化されました。この法律によって、管理が不十分な空き家は段階的に行政の介入を受けます。

指定の種類と行政措置の流れ

指定の種類対象の状態行政の対応
管理不全空き家(2023年改正で新設) そのまま放置すれば特定空き家になるおそれがある状態 指導→勧告(勧告後は住宅用地特例の適用が一部外れる)
特定空き家 倒壊のおそれ・著しく衛生上有害・著しく景観を損なっている状態など 指導→勧告→命令(住宅用地特例の完全適用外)→代執行・行政代執行

代執行とは何か

行政からの命令に従わない場合、行政が強制的に解体・撤去などの措置を行い、その費用を所有者に請求する「代執行」が行われる場合があります。代執行の費用は建物の規模によって数百万円〜数千万円になることもあり、所有者が拒否することはできません。また、正当な理由なく勧告・命令に従わなかった場合、氏名の公表が行われることもあります。

京都市は全国でも空き家対策が積極的な自治体

京都市は「京都市空き家等対策計画」を策定し、空き家の実態調査・相談窓口・指導体制を整備しています。景観を重視する京都市では、老朽空き家が街並みを損なうとして指導が入るケースも出ています。「京都だから見逃してもらえる」という期待は禁物です。


5、空き家特例(3000万円控除)の期限切れリスク

放置によって生じる最大の「見えない損失」のひとつが、売却時の節税機会の喪失です。

空き家特例とは

「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除」(通称:空き家特例)は、親が生前に住んでいた家を相続・売却した際に、譲渡所得から最大3000万円を控除できる制度です。

  • 主な適用条件:被相続人が一人で居住していた/1981年5月31日以前に建築(旧耐震基準)/相続開始から3年目の年末までに売却/売却価格が1億円以下/相続後も空き家または取り壊し後の更地であること/耐震改修して売るか取り壊して売ること(2024年以降は買主が引渡し後に取り壊す場合も可)
  • 賃貸中は使えない:賃貸に出している間は「居住用財産」として認められず、特例の対象外となります

「3年目の年末」を過ぎると使えなくなる

空き家特例は相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することが条件です。この期限を過ぎると、どれだけ利益が出ても控除は受けられません。

たとえば売却益が3000万円あった場合、特例を使えば譲渡税はゼロですが、期限後に売却すると約600万円(長期譲渡所得税率20.315%)の税負担が発生します。相続開始日をすぐに確認し、3年目の年末がいつかを計算してください。残り2年を切っているなら、今すぐ動くことが最優先です。

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6、放置を避けるための選択肢

「すぐには動けない」という状況でも、完全な放置は避けることが最善です。状況に応じた選択肢を整理します。

① 売却する

最もリスクを一括解消できる手段です。維持費・管理責任・固定資産税・空き家税のすべてから解放されます。空き家特例の期限が迫っている場合は最優先で検討すべき選択肢です。京都市内では、立地・状態・築年数によって査定価格に大きな差が出るため、複数の不動産会社への査定依頼が重要です。再建築不可・路地奥物件でも、投資家・隣地所有者など独自の買い手層が存在します。

② 賃貸に出す

建物の状態が良く、立地需要がある場合は賃貸活用が有効です。家賃収入を得ながら資産を保有できます。ただし空き家特例の期限との関係に注意が必要で、賃貸中は特例が使えなくなります。リフォーム費用・管理会社への委託費用も事前に試算してください。京都市内では大学生需要・観光エリア近接物件の宿泊需要が比較的安定しています。

③ 管理会社に委託する(準備期間として)

「すぐには決断できないが放置したくない」という場合、空き家管理サービスに委託する方法があります。定期的な見回り・通風・草刈りなどで建物の劣化を抑えつつ、方向性を検討する時間を確保できます。ただしこれはあくまでも一時的な措置であり、固定資産税・空き家税・特例の期限問題は解決しません。

④ 京都市の相談窓口・補助制度を活用する

京都市では、空き家の活用・解体・売却に関する相談窓口や補助金制度を設けています。町家の再生補助・耐震改修補助・空き家バンクへの登録など、活用に向けた支援策が複数存在します。「何もできない」と感じている方でも、まず相談窓口に問い合わせることで選択肢が広がることがあります。


7、判断チェックリスト

相続した京都市内の空き家について、現在の状況を確認するためのリストです。

今すぐ確認すること

  • 相続開始日はいつか。3年目の年末(空き家特例の期限)はいつか
  • 建物の築年数(1981年以前の旧耐震基準か)を確認したか
  • 固定資産税・空き家税の現在の税額を把握しているか
  • 建物の外壁・屋根・ブロック塀の状態を最近確認したか
  • 隣地や通行人への崩落リスクがないか確認したか
  • 京都市から指導・通知が届いていないか確認したか
  • 不動産会社への売却査定(複数社)を受けたか
状況おすすめの対処法
空き家特例の期限まで2年以内 今すぐ税理士・不動産会社に相談。期限内の売却スケジュールを立てる
建物が老朽化・崩落リスクがある 建築士による現状確認を依頼。危険な状態なら早急に対処が必要
京都市から指導・通知が届いている 放置厳禁。不動産会社・行政書士に相談し対応を急ぐ
管理が難しい・遠方に住んでいる 空き家管理サービスに委託しつつ、売却・賃貸の方向性を並行して検討する
路地奥・再建築不可物件で売れるか不安 一般的な媒介だけでは届かない買い手がいる。専門会社に相談する
立地が良い・観光エリア近く 賃貸・民泊・投資家への売却を検討。地元の専門家に相場を確認する
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まとめ

京都市で相続した空き家を放置すると起きること

  • 固定資産税が最大6倍になる:「特定空き家」に指定されると住宅用地特例が外れ、固定資産税が大幅に増加します。更地化も同様のリスクがあります
  • 京都市独自の空き家税が課税される:2026年導入の非居住住宅利活用促進税が固定資産税に上乗せされます。活用に向けた動きをしていると課税猶予や減額になるケースがあります
  • 建物が傷み、管理責任・損害賠償リスクが生じる:人が住まない建物は急速に劣化します。崩落事故が起きると所有者が賠償責任を負います
  • 行政から指導・代執行を受けるリスクがある:2023年改正の空き家対策特別措置法により、管理不全空き家への介入が強化されました
  • 空き家特例(3000万円控除)の期限が切れる:相続から3年目の年末を過ぎると節税の機会が永久に失われます。期限を計算し、間に合うなら早期の売却が最優先です
クラベストでは、京都市内の相続空き家の売却・活用サポートを行っています。
「放置してしまっているが、どうすればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。税理士との連携、査定・売却活動まで一緒に進めます。

8、まずはご相談ください

「空き家をこのままにしていいか確認したい」「固定資産税・空き家税の負担を整理したい」「売却・賃貸どちらが向いているか相談したい」——まずは現状をお聞かせください。

※本記事は一般的な不動産・税制・法制度の考え方を解説するものです。空き家税の詳細な適用条件・税額は京都市の最新情報をご確認ください。個別の税額計算・法的対応は必ず税理士・不動産会社・行政書士等の専門家にご相談ください。

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