京都で相続した家が売れない5つの理由|売却前に確認したいポイント
「売りに出したのに買い手が現れない」「半年経っても内覧すら入らない」——相続した京都の家が売れずに悩んでいる方は少なくありません。しかし売れない物件には必ず理由があり多くは対処可能です。価格設定・売却ルート・物件情報・不動産会社の選定を見直すことで売却が動き出すケースは多くあります。
この記事では、京都で相続した家が売れない5つの理由とそれぞれの対処法を解説します。

1、理由① 価格設定が市場相場と合っていない
売れない最も多い理由が価格設定のミスマッチです。相続した実家には思い入れがあるため「これくらいの価値はあるはず」と考えがちですが、市場価格は需要と供給で決まります。
よくある価格設定の失敗
| 失敗 | 起きること |
|---|---|
| 相続税評価額をもとに価格を決めた | 路線価と実勢価格は異なる。高すぎても安すぎても機会損失になる |
| 「高く売れます」という査定額をそのまま採用 | 媒介契約を取るための高額査定の場合がある。長期間売れず値下げを繰り返すことに |
| 近隣の売出し価格を参考にした | 売出し価格は成約価格より5〜15%高い。成約データを見ないと相場を誤る |
| 旧耐震・路地奥の減価を考慮していない | 住宅ローンが使えない物件は相場より20〜50%低くなることが多い |
対処法:成約データで価格を見直す
国土交通省の不動産取引価格情報などで実際に成立した成約価格を確認し複数の不動産会社の査定と照らし合わせてください。3ヶ月売れなければ価格の見直しが必要というのが目安です。空き家特例の期限が近い場合は価格にこだわりすぎて期限を逃す方が損になります。
2、理由② 買い手のターゲットが間違っている
京都の相続物件では「誰に売るか」の設定を誤っていることが売れない大きな原因になります。
物件タイプ別の買い手
| 物件タイプ | 買い手 |
|---|---|
| 新耐震・状態が良い一戸建て | 一般の住宅購入者(住宅ローン利用者) |
| 旧耐震の町家(1981年5月31日以前) | 投資家・リノベ目的の購入者・宿泊事業者 |
| 路地奥・接道不適合・再建築不可 | 隣地所有者・現金購入できる投資家・買い取り業者 |
| 観光エリアの町家・古民家 | 民泊・旅館業を検討する事業者・古民家再生の購入者 |
| 状態が悪く修繕費が大きい建物 | 解体後の土地購入者・買い取り業者 |
対処法:物件に合った売却ルートへ
旧耐震・路地奥の物件をポータルサイトに掲載しても住宅ローンを使う購入者からの反応は期待できません。投資家ネットワーク・隣地所有者への打診・宿泊事業者へのアプローチなど専門ルートを持つ不動産会社への依頼で状況が変わることがあります。

3、理由③ 物件の条件が伝わっていない
物件情報が不足していたり、マイナス面ばかりが目立つ状態では買い手の検討候補に入りません。
よくある情報不足の問題
| 問題 | 対処 |
|---|---|
| 接道状況・再建築の可否が不明確 | 建築士・不動産会社に調査を依頼し正確な情報を開示する。曖昧だと買い手が敬遠する |
| 境界が確定していない | 土地家屋調査士に境界確定測量を依頼する。未確定は買い手のリスクになる |
| 室内が荷物で埋まっている・写真が悪い | 残置物を整理し清掃してから撮影する。内覧できる状態にすることが基本 |
| 建物の状態・修繕履歴が不明 | インスペクション(建物状況調査)を実施し修繕が必要な箇所を明示する |
| 景観規制・用途地域の制限が不明 | 行政に確認し建替えの可否・制限内容を明示する |

4、理由④ 相続登記が完了していない
名義が被相続人のままでは売却できない
不動産を売却するには名義が相続人に変更されている必要があります。名義が亡くなった方のままでは買い手が決まっても契約・引き渡しができません。2024年4月から相続登記が義務化され、3年以内の登記が必要(未完了は10万円以下の過料の対象)となっています。
相続登記が進まない原因と対処法
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 遺産分割協議がまとまっていない | 司法書士・弁護士に相談。話し合いが難しい場合は調停も検討 |
| 相続人の一部と連絡が取れない | 司法書士に戸籍調査を依頼し相続人を特定する |
| 複数世代にわたり登記が未了(数次相続) | 司法書士に依頼し過去の相続を遡って整理。時間がかかるため早期着手が必須 |
| 相続人に認知症の方がいる | 成年後見人の選任が必要になる場合がある。家庭裁判所への申立てを検討 |
登記完了まで2〜3ヶ月かかる
相続登記は書類収集から完了まで通常2〜3ヶ月かかります。数次相続や相続人が多数の場合はさらに長引きます。空き家特例の期限(相続から3年目年末)を考えると相続発生後すぐに司法書士に依頼することが重要です。
5、理由⑤ 不動産会社の選定を誤っている
京都の相続物件には旧耐震・路地奥・景観規制・町家という特有の事情があります。これらに対応できない不動産会社に依頼していると売却が進みません。
不動産会社選びの確認点
| 確認点 | 理由 |
|---|---|
| 京都の旧耐震・町家の売却実績 | 新築・築浅マンション中心の会社では旧耐震物件の買い手を見つけにくい |
| 投資家・宿泊事業者・隣地所有者へのルート | ポータル掲載だけでは旧耐震・路地奥物件は売れにくい |
| 税理士・司法書士との連携 | 空き家特例の期限・相続登記を踏まえた売却スケジュールを設計できる |
| 専任媒介契約の更新時期 | 専任媒介は3ヶ月ごとに更新。成果が出ていなければ他社への切り替えも検討できる |
対処法:セカンドオピニオンを取る
「なぜ売れないのか」の説明に納得できない場合は、別の不動産会社に査定と売却戦略を相談してみることをおすすめします。物件を見る目線・想定する買い手・提案する価格が大きく異なることがあります。複数の意見を聞くことで状況が動き出すことがあります。

6、売却前に確認したいポイント
確認リスト
- 成約データで市場相場を確認したか
- 複数の不動産会社に査定を依頼し価格を比較したか
- 物件に合った買い手ターゲットが設定されているか
- 接道状況・再建築の可否・境界を正確に把握しているか
- 残置物を整理し内覧できる状態にしたか
- 相続登記(名義変更)が完了しているか
- 依頼先に旧耐震・町家の売却実績があるか
- 空き家特例の期限(相続から3年目年末)を把握しているか
| 売れない状況 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 問い合わせも内覧もゼロ | 価格が高すぎる/掲載情報が不足 | 成約データで相場を確認し価格を見直す。写真・情報を充実させる |
| 内覧はあるが契約に至らない | 条件が伝わっていない/買い手層のミスマッチ | 接道・境界・建物状態を明示。買い手ターゲットの再設定を検討 |
| 旧耐震・路地奥で反応がない | 一般市場向けの売却ルートを使っている | 投資家・隣地所有者・宿泊事業者への専門ルートに切り替える |
| 買い手は決まったが契約できない | 相続登記が未完了/相続人の同意がない | 司法書士に急いで依頼。遺産分割協議を優先的に完了させる |
| 半年以上動きがない | 不動産会社の選定ミスの可能性 | 媒介契約の更新時に他社への切り替えを検討する |
まとめ
売れない理由と対処のまとめ
- 売れない物件には必ず理由があり多くは対処できる:価格・買い手ターゲット・物件情報・登記・不動産会社の5つを順に確認してください
- 京都の物件は「誰に売るか」が最重要:旧耐震・路地奥の物件は一般市場では売れにくく、投資家・隣地所有者・宿泊事業者への専門ルートが必要です
- 相続登記が未完了だと売却が止まる:買い手が決まっても契約できません。今すぐ司法書士に依頼し登記完了(2〜3ヶ月)をスケジュールに組み込んでください
- 空き家特例の期限を意識する:相続から3年目年末が期限です。売れない状態が続くと期限を過ぎ最大3,000万円の控除機会を失います
「なぜ売れないのか診断してほしい」という段階からでもご相談いただけます。
7、まずはご相談ください
「他社に依頼しているが売れない」「なぜ売れないのか原因を知りたい」——まずは現状をお聞かせください。

※本記事は一般的な不動産売却の考え方を解説するものです。個別の売却価格・売却可否は物件の状態・市場動向により異なります。実際の対処にあたっては必ず不動産会社・税理士・司法書士にご相談ください。