住宅ローンが残っていても住み替えできる?
「まだローンが20年以上残っているけれど住み替えられるのだろうか」——住み替えを考える方の多くが抱く不安です。結論から言うと住宅ローンが残っていても住み替えは可能です。ただし売却代金でローンを完済できるかどうかで進め方が大きく変わります。
この記事では、ローンが残っている場合の住み替えの方法を整理します。

1、ローンが残っていても住み替えできる理由
住宅ローンが残っている家には金融機関の抵当権が設定されています。抵当権が付いたままでは買い手が付かないため売却時には抹消が必要です。
抵当権抹消の仕組み
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 売却代金で完済する | 決済日に売却代金を受け取り、その場で完済して抵当権を抹消する |
| 同時に手続きする | 司法書士が立ち会い、代金受領・完済・抹消・所有権移転を同日に行う |
分かれ目は売却代金で完済できるか
ローンが残っていても住み替えはできますが売却価格がローン残債を上回るか下回るかで難易度が大きく変わります。上回る場合(アンダーローン)は通常の住み替えとして進められます。下回る場合(オーバーローン)は差額を用意するか別の方法が必要です。まず残債と査定額を確認することが第一歩です。
2、アンダーローンの場合
売却価格がローン残債を上回る状態です。売却代金で完済でき、残った資金を新居の購入に充てられます。
進め方の流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①残債と査定額を確認 | 残高証明書を取り寄せ複数社に査定を依頼する |
| ②手取り額を試算 | 売却価格ー残債ー諸費用=新居に使える資金 |
| ③購入予算を決める | 手取り額+新たな借入可能額で予算を設定する |
| ④売却・購入を進める | 売り先行・買い先行のどちらで進めるか決めて実行する |
売れた金額と使える金額は違う
アンダーローンでも売却価格から残債・仲介手数料・抵当権抹消費用・引っ越し費用などを差し引くと手元に残る金額は想像より少ないことがあります。購入物件を探す前に手取り額の試算を不動産会社に依頼してください。予算を誤ると計画の練り直しが必要になります。

3、オーバーローンの場合
売却価格がローン残債を下回る状態です。そのままでは完済できないため不足分をどう埋めるかを考える必要があります。
取れる4つの選択肢
| 方法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ①自己資金で補填する | 不足分を預貯金で埋めて完済し通常の住み替えを行う | まとまった資金が必要。新居の頭金が減る点も考慮 |
| ②住み替えローンを使う | 残債と新居の購入資金をまとめて借りる | 借入額が大きく審査が厳しい。金利も高めの傾向 |
| ③返済を進めてから売る | 残債が減ってアンダーローンになるまで待つ | 住み替えの時期が遅れる。その間の不便は続く |
| ④住み替えを見送る | 現状の家に住み続ける | 無理な住み替えで家計を圧迫するより安全なことも |
無理な借入は家計を圧迫する
オーバーローンの状態で住み替えると旧居の残債分も新しい借入に上乗せされ返済負担が重くなります。「審査に通ったから大丈夫」ではありません。教育費・老後資金なども含めた長期の家計シミュレーションを行い本当に返済を続けられるかを慎重に判断してください。

4、住み替えローンという選択肢
住み替えローンとは旧居の残債と新居の購入資金を合わせて借りられるローンです。オーバーローンでも住み替えを可能にする方法ですが、利用にはハードルがあります。
住み替えローンの特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 自己資金が不足していても住み替えができる |
| 審査 | 借入額が物件価格を超えるため通常より審査が厳しい |
| 金利 | 通常の住宅ローンより高めに設定されることが多い |
| 返済負担 | 借入総額が増え月々の返済額・総返済額が大きくなる |
決済を同日にする必要がある
住み替えローンでは旧居の売却と新居の購入の決済を同じ日に行うことが求められるのが一般的です。スケジュール調整が難しく、どちらかが遅れると計画全体が崩れます。検討する場合は早い段階で金融機関と不動産会社に相談してください。
5、資金計画の立て方
資金計画の5ステップ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①残高証明書を取得 | 金融機関に請求し現在の残債を正確に把握する |
| ②査定を受ける | 複数の不動産会社に依頼し実勢価格を確認する |
| ④借入可能額を確認 | 金融機関に事前審査を申し込み借入額の目安を知る |
| ⑤購入予算を決める | 手取り額+借入可能額から諸費用を差し引いて設定 |
同じ返済額では計算が合わないことも
「今と同じくらいの返済額なら大丈夫」と考えがちですが住み替えでは借入期間が短くなることがあります。たとえば現在45歳で新たに35年ローンを組もうとしても完済年齢の制限で希望通りにならない場合があります。借入期間が短くなれば月々の返済額は増えます。事前審査で具体的な条件を確認してください。
6、京都特有の注意点
① 観光エリアは値上がりしていることも
観光エリア周辺は実勢価格が高く購入時より値上がりしているケースがあります。「オーバーローンだろう」と思い込んでいても査定を受けるとアンダーローンだったということもあります。まず査定を受けてから判断してください。
② 町家・路地奥は売却期間を長めに
京町家・路地奥・再建築不可の物件は買い手が限られ売却まで半年〜1年以上かかることがあります。住み替えローンは決済の同日実行が求められることが多いため売却の目処が立たない状態で新居の契約を進めるのは危険です。
③ 駅近マンションは資金計画が立てやすい
京都市内の駅近マンションは需要があり相場が読みやすく売却期間も比較的短い傾向があります。査定額の精度が高くなるため資金計画を立てやすい物件といえます。
④ 空き家期間が長引くと空き家税の対象に
先に転居して旧居が空き家のまま長期間残ると、2026年導入の京都市の空き家税の課税対象になる可能性があります。ローン返済に加えて税負担も生じるため売却の見通しは慎重に立ててください。

判断チェックリスト
確認リスト
- 金融機関から残高証明書を取り寄せたか
- 複数の不動産会社に査定を依頼したか
- 手取り額(売却価格ー残債ー諸費用)を確認したか
- 金融機関に事前審査を申し込んだか
- 長期の家計シミュレーションを行ったか
| 状況 | 推奨する進め方 |
|---|---|
| アンダーローン | 通常の住み替え。手取り額を確認して購入予算を決める |
| オーバーローン・自己資金あり | 差額を補填して完済。新居の頭金が減る点に注意 |
| オーバーローン・自己資金なし | 住み替えローンを検討。返済負担を慎重に試算する |
まとめ
ポイントまとめ
- ローンが残っていても住み替えは可能:売却代金で完済し決済日に抵当権を抹消する流れが一般的です
- 分かれ目は「売却代金で完済できるか」:まず残高証明書と査定額を揃えてアンダーかオーバーかを判定してください
- オーバーローンでも方法はある:自己資金の補填・住み替えローン・時期を待つ。返済負担の試算は慎重に
- 「売れた金額」と「使える金額」は違う:残債と諸費用を差し引いた手取り額が新居に充てられる資金です
「ローンが残っているが住み替えられるか知りたい」という段階からご相談いただけます。
7、まずはご相談ください
「ローンが残っているが住み替えられるか知りたい」「残債と査定額を比べたい」——現状をお聞かせください。

※本記事は一般的な住み替え・住宅ローンの考え方を解説するものです。住み替えローンの取扱いや審査基準は金融機関により異なります。詳細は金融機関・不動産会社にご確認ください。