2026年版|子育て世帯が家を買うときに使える税金の優遇制度
住宅の購入には国が用意している税制上の優遇がいくつかあります。そのなかには子育て世帯や若い夫婦の世帯だけが受けられる上乗せもあり、知っているかどうかで負担が変わります。
ただし制度は毎年のように見直されます。この記事では2026年(令和8年)に入居する場合を前提に主な優遇制度を整理します。

1、「子育て世帯」とはどこまでか
制度上の「子育て世帯」は子どもがいる世帯だけを指すわけではありません。夫婦のどちらかが若ければ、子どもがいなくても対象になります。
対象となる世帯(住宅ローン控除の場合)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 子育て世帯 | 19歳未満の子がいる世帯 |
| 若者夫婦世帯 | 夫婦のいずれかが40歳未満の世帯 |
制度ごとに年齢の基準が少し違います
紛らわしいのですが補助金など他の制度では「18歳未満の子」「39歳以下の夫婦」と定義されていることがあります。判定の基準日も制度ごとに異なります。「うちは対象か」は制度ごとに確認してください。
2、住宅ローン控除(2026年入居)
住宅ローン控除は年末のローン残高に応じて所得税などが軽減される制度です。控除率は0.7%で、対象になる借入額には住宅の性能ごとに上限があります。
借入限度額(新築・買取再販/2026年入居)
| 住宅の性能 | 一般の世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
※控除期間は原則13年。省エネ基準を満たさない新築は原則対象外。
借入限度額(中古住宅/2026年入居)
| 住宅の性能 | 一般の世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 長期優良・低炭素・ZEH水準 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
※控除期間は原則10年(省エネ性能が高い場合は13年)。
主な要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得 | 合計所得金額2,000万円以下 |
| 床面積 | 原則40㎡以上(40〜50㎡は合計所得1,000万円以下に限る) |
上乗せを使うなら床面積50㎡以上
床面積の要件は40㎡以上に緩和されましたが上乗せ措置を使う場合は50㎡以上が必要とされています。コンパクトな物件を検討中の方は必ず確認してください。数㎡の差で上乗せが受けられなくなることがあります。

3、上乗せでどれだけ変わるか
上乗せの効果は借入額が大きいほど大きくなります。控除の対象になる金額そのものが増えるためです。
ZEH水準の新築を買う場合
一般の世帯は借入限度額3,500万円、子育て世帯は4,500万円。差は1,000万円分で、控除率0.7%なら単純計算で年あたり最大7万円の差になります。控除期間は13年なので累計の差はさらに大きくなります。
※実際の控除額は年末のローン残高や納税額により変わります。
「限度額いっぱい控除される」わけではありません
住宅ローン控除は納めている所得税・住民税の範囲内でしか戻りません。借入限度額が上がっても納税額が少なければ控除しきれないことがあります。「上限が増えた=その分得をする」とは限りません。

4、親からの資金援助と贈与税
親や祖父母から住宅資金の援助を受ける場合、一定額まで贈与税がかからない特例があります。
住宅取得等資金の贈与税非課税措置
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 非課税枠 | 基本500万円。良質な住宅は500万円加算され最大1,000万円 |
| 良質な住宅の基準 | ZEH水準(断熱等性能等級5以上・一次エネルギー消費量等級6以上) |
| 適用期限 | 2026年12月31日まで |
住宅ローン控除との関係に注意
贈与で頭金を厚くすれば借入額は減ります。ただし借入額が減れば住宅ローン控除で戻る額も減ります。贈与を多く受けるほど有利とは限りません。金額が大きい場合は税理士に試算を依頼してください。
非課税でも申告は必要です
この特例は贈与を受けた翌年に贈与税の申告をして初めて適用されます。「非課税だから何もしなくていい」と申告を忘れると課税されることがあります。贈与を受けたら必ず申告の準備をしてください。
5、登録免許税・不動産取得税の軽減
住宅を買うときは購入代金以外にも税金がかかります。これらにも軽減措置があります。
主な軽減措置
| 税金 | 内容 |
|---|---|
| 登録免許税 | 登記時にかかる。土地の所有権移転登記などの軽減は2029年3月まで延長 |
| 不動産取得税 | 取得時に一度だけかかる。床面積要件が40㎡以上に緩和 |
これらの軽減は子育て世帯限定ではありませんが購入時にまとまってかかる費用なので初期費用に影響します。不動産取得税は新築の認定長期優良住宅について2031年3月31日まで延長されるなど、住宅の性能によって扱いが異なります。
6、税制以外の支援制度
税金の優遇とは別に補助金の制度もあります。2026年は「みらいエコ住宅2026事業」が実施されています。
みらいエコ住宅2026事業(新築)
| 住宅のタイプ | 対象世帯 | 補助額 |
|---|---|---|
| GX志向型 | 全世帯 | 110万円/戸 |
| 長期優良住宅 | 子育て・若者夫婦世帯 | 75万円/戸 |
| ZEH水準住宅 | 子育て・若者夫婦世帯 | 35万円/戸 |
※この事業では子育て世帯=18歳未満の子がいる世帯、若者夫婦=いずれかが39歳以下。
補助金は予算がなくなり次第終了します
税制の優遇は要件を満たせば使えますが補助金は予算の上限に達した時点で受付が終了します。この事業ではZEH水準の注文住宅について2026年9月30日が期限とされるなど区分ごとに締切があります。最新の受付状況を必ず確認してください。
また国の制度とは別に市区町村が独自に子育て世帯向けの住宅補助を用意していることがあります。移住・定住の促進、三世代同居への支援など内容はさまざまです。購入を検討している自治体の窓口も確認してみてください。

7、期限に注意したいもの
期限の一覧
| 制度 | 期限 |
|---|---|
| 住宅ローン控除 | 2030年12月31日までの入居 |
| 贈与税の非課税措置 | 2026年12月31日まで |
贈与の特例は2026年内が期限です
住宅取得等資金の贈与税非課税措置は現時点では2026年12月31日が適用期限です。援助を前提に計画している方は、年内に贈与を受けて取得する必要があるかを早めに確認してください。
確認リスト
確認リスト
- 子育て世帯・若者夫婦世帯の要件に当てはまるか
- 検討中の物件の省エネ性能がどの区分か
- 床面積が50㎡以上あるか(上乗せを使う場合)
まとめ
押さえておきたいポイント
- 子どもがいなくても対象になることがある:夫婦のいずれかが40歳未満なら上乗せの対象です
- 住宅の省エネ性能で限度額が変わる:同じ子育て世帯でも性能によって差があります
- 上乗せを使うなら床面積50㎡以上:40㎡台の物件では上乗せが受けられません
- 贈与の特例は2026年内が期限:援助を考えている方は早めの確認を
物件の省エネ性能や床面積など、制度の対象になるかを含めてご案内します。
8、まずはご相談ください
「制度の対象になるか知りたい」「条件に合う物件を探したい」——お気軽にご相談ください。

※本記事は2026年9月時点の情報をもとにした一般的な解説です。税制・補助金の内容や期限は変更されることがあり、個別の適用可否は住宅の性能・ご家族の状況・所得等により異なります。国土交通省・国税庁の最新情報をご確認のうえ、税理士・各制度の窓口にご相談ください。